2.1 仮想マシン
仮想化のコンセプトは1960年代にIBMがメインフレーム用の仮想マシンを開発した時に登場したんだよ。それによってコンピュータリソースを効率的に利用できるようになったし、作業負荷を分離することもできた。それ以来仮想化は進化して、今ではITインフラの不可欠な一部になっているんだ。
仮想マシン (VM) っていうのは、物理コンピュータのソフトウェアエミュレーション
のこと。物理サーバー上で動作するかのようにオペレーティングシステムやアプリケーションを起動できるんだよね。VMの主なコンポーネントは、ハイパーバイザー、ゲストオペレーティングシステム、そしてアプリケーションだよ。
ハイパーバイザーは仮想マシンを管理して、それらの間でリソースを分配するソフトウェアだよ。ハイパーバイザーには2種類あって:
- タイプ1 (bare-metal): ハードウェアに直接インストールされるタイプ。高いパフォーマンスと最小限のオーバーヘッドが特徴的。例: VMware ESXi, Microsoft Hyper-V。
- タイプ2 (hosted): ホストオペレーティングシステムの上で動作するタイプ。このため柔軟性があるけど、パフォーマンスは少し落ちる。例: Oracle VirtualBox, VMware Workstation。
ゲストOS: 各仮想マシンは、ハイパーバイザーの上で動作する完全なオペレーティングシステムを含んでいるよ。これで1つの物理サーバー上で複数のOSを使えるんだ。
アプリケーション: アプリケーションとその依存関係はゲストOS内にインストールされるから、分離されてて独立してるんだよね。
メリット:
- 分離性: 仮想マシンは完全に分離されているよ。それぞれのVMが自分自身のOSやリソースを持ってるから、アプリケーションが他に影響を与えることはないんだ。
- 互換性: 仮想マシンはどのオペレーティングシステムだってサポートしてるよ。同じOSの異なるバージョンも使えるから、柔軟性があるね。
- セキュリティ: 高い分離性のおかげでVMはセキュリティ性も高いんだ。一つのVMの脆弱性が他に簡単に影響することはないんだよ。
デメリット:
リソース消費: 各VMは完全なオペレーティングシステムを持ってるから、それなりのリソースが必要だよね。これがメモリやディスクスペースの要件を増加させるんだ。
起動: 仮想マシンの起動や停止は、オペレーティングシステムのロードやシャットダウンが必要だから、ちょっと遅いんだ。
管理: 多くのVMを管理するのは特に大規模なインフラでは複雑で手間がかかることもあるよね。
2.2 コンテナ
コンテナという概念自体は何十年も前から存在していたけど、2013年に登場したDockerの人気が高まったことで大幅に普及したんだ。Dockerはコンテナを使うのを簡単にして、多くの開発者やシステム管理者に手が届くようにしたわけ。
コンテナは仮想マシンとは違って、ホストOSのカーネルを使用し、プロセスレベルの分離を提供するんだ。これのおかげで、アプリとその依存関係を独立した環境で実行できるけど、別々のOSをインストールする必要はないんだよ。
- ホストOS: コンテナはホストOSのカーネルを使うから、リソースを節約してオーバーヘッドを減らせるんだ。
- コンテナ: 各コンテナにはアプリとその依存関係が入ってるけど、個別のOSは含まれてない。コンテナの分離はnamespacesやcgroupsっていう技術で実現されてて、リソースへのアクセスを制限したり、プロセスを分けたりしてるんだ。
- Namespaces: Linuxカーネルの仕組みで、プロセス用の分離された環境を作るんだ。他のコンテナのプロセスやファイルシステム、ネットワークインターフェースなんかを隠せるよ。
- Cgroups: リソース管理技術で、CPUやメモリ、ディスクI/Oとかのリソース使用量を制御できるんだ。これで過剰な消費を防げるんだよ。
メリット:
- 軽量さ: コンテナは個別のOSをインストールする必要がないから、リソースを少なく済ませられる。一つの物理サーバーで仮想マシンよりずっと多くのコンテナを稼働させられるんだ。
- 高速起動: コンテナは仮想マシンよりもずっと速く起動・停止できるよ。なぜならOSをロードしたりシャットダウンしたりする必要がないから。
- ポータビリティ: コンテナにはアプリに必要な依存関係が全部入ってるから、異なる環境間で簡単に移動できるんだ。同じイメージを作っておけば、異なるプラットフォームでも問題なく動くよ。
デメリット:
- 分離性: コンテナの分離は仮想マシンほど厳密じゃないんだ。ホストOSのカーネルを共有してるからね。もしコンテナ内のアプリが侵害されたら、それが潜在的な脆弱性を生む可能性があるんだ。
- 互換性: コンテナはホストOSと互換性がある必要があるから、ある特定のシナリオでは使用が制限される場合があるんだ。
2.3 コンテナと仮想マシンの比較

リソース消費量:
- コンテナ: リソース消費が少なく、RAMとCPUを効率的に使用する。1つの物理サーバー上により多くのコンテナを実行でき、スケーリングの際に経済的。
- 仮想マシン: フルOSを必要とするため、より多くのリソースを消費する。仮想マシン1台ごとにかなりのRAMとディスク容量が必要で、1台のサーバーに載せられる数が制限される。
速度:
- コンテナ: 数秒で起動・停止できるため、迅速な反応やスケーリングが求められるタスクに最適。
- 仮想マシン: OSロードが必要なため、起動・停止にはより時間がかかる。仮想マシンの起動には数分かかることがあり、動的な環境には向いていない。
分離性:
- コンテナ: プロセスレベルでの分離を提供する。仮想マシンほどの分離性はないが、ほとんどのアプリには十分。ただし、完全な分離性と最大のセキュリティが必要なタスクには不向き。
- 仮想マシン: OSレベルでの完全な分離を提供する。高いセキュリティが必要な重要なアプリやデータに最適。
管理とスケーリング:
- コンテナ: 軽量で迅速に起動できるため、管理とスケーリングが簡単。Kubernetesのようなオーケストレーションツールで、多くのコンテナを含むクラスターの管理が容易になる。
- 仮想マシン: リソース消費が大きいため、管理とスケーリングがより複雑。多数の仮想マシンを管理するには、特に動的環境では多大な労力が必要。
コンテナと仮想マシンの選択は具体的なタスクによる。コンテナは、低リソースでアプリを迅速にデプロイしスケーリングする場合に最適。ポータビリティと軽量性から、マイクロサービスアーキテクチャやクラウドコンピューティングに非常に適している。
仮想マシンは、より優れた分離性と互換性を提供し、高いセキュリティと独立性が求められる複雑で重要なアプリに最適。フルOSが必要なワークロードを支える多層アプリやインフラストラクチャのデプロイに欠かせない。
実務では、多くの組織がコンテナと仮想マシンを組み合わせたハイブリッドアプローチを採用し、パフォーマンス、柔軟性、セキュリティのバランスを最適化している。
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