5.1 再帰アルゴリズムの複雑さの分析。
再帰アルゴリズムは、複雑なタスクを解決するための強力な手段であり、より単純なサブタスクに分割することができます。ただし、再帰アルゴリズムの複雑さの分析は、反復アルゴリズムと比較してより複雑です。再帰アルゴリズムの分析で考慮すべき主な側面には、時間と空間の複雑さがあります。
これらの評価は、入力データのサイズに応じてアルゴリズムを実行するために必要な時間とメモリを示します。再帰アルゴリズムの複雑さの分析には、アルゴリズムの動作を表す再帰方程式の構築と解決が含まれることがよくあります。
再帰アルゴリズムの時間的複雑さ:
再帰アルゴリズムの時間的複雑さは、再帰呼び出しの実行時間によってアルゴリズムの実行時間を示す再帰関係を使用して分析されることがよくあります。
再帰方程式:
再帰方程式とは、入力データのより小さいサイズに対する時間的複雑さを通じてアルゴリズムの時間的複雑さを表現する方程式です。再帰アルゴリズムを実行するための時間コストを説明するのに役立ちます。
例:
- T(n) = T(n − 1) + O(1)
- T(n) = 2T(2n) + O(n)
5.2 再帰アルゴリズムを使用したタスクの例。
例1: 数の階乗
数nの階乗を計算するためのアルゴリズムを考えてみよう:
def factorial(n):
if n == 0:
return 1
else:
return n * factorial(n - 1)
このアルゴリズムの再帰関係は次のように表されます:
T(n) = T(n − 1) + O(1)
この方程式の解は:
T(n) = O(n)
したがって、階乗アルゴリズムの時間的複雑さはO(n)
です。
例2: クイックソート
クイックソートアルゴリズムを考えてみよう:
def quicksort(arr):
if len(arr) <= 1:
return arr
pivot = arr[len(arr) // 2]
left = [x for x in arr if x < pivot]
middle = [x for x in arr if x == pivot]
right = [x for x in arr if x > pivot]
return quicksort(left) + middle + quicksort(right)
このアルゴリズムの平均的なケースの再帰関係:
- T(n) = 2 * T(n / 2) + O(n)
この方程式をマスターメソッドを用いて解くと:
- T(n) = O(n * log(n))
5.3 再帰アルゴリズムの空間的複雑さ
再帰アルゴリズムの空間的複雑さは、変数を格納するためのメモリと呼び出しスタックのために使用されるメモリの合計として定義されます。深い再帰アルゴリズムでは、呼び出しコンテキストを格納するために多くのメモリが使用されることがあります。
例: フィボナッチ
フィボナッチ数を計算するためのアルゴリズムを考えてみよう:
def fibonacci(n):
if n <= 1:
return n
else:
return fibonacci(n - 1) + fibonacci(n - 2)
時間的複雑さの再帰関係:
- T(n) = T(n − 1) + T(n − 2) + O(1)
この方程式の解は:
- T(n) = O(2n)
O(n)
です。
5.4 再帰アルゴリズムの複雑さの分析方法
再帰アルゴリズムの複雑さの分析方法
- 置換法:
- 解の形を仮定して帰納法で証明するために使われます。
- o 例: 再帰方程式を解くための置換。
-
2. 再帰ツリー法:
- 再帰呼び出しをツリーの形で視覚化し、各ノードが関数の呼び出しを表します。
- 例: 再帰呼び出しを持つクイックソート。
-
マスターメソッド:
- 次の形式の再帰方程式を分析するためのテンプレート: T(n) = a * T(n / b) + f(n)
- 例: クイックソート。
再帰アルゴリズムの複雑さの分析には、時間的および空間的複雑さの考慮が必要です。再帰関係を理解し、置換、再帰ツリー法、マスターメソッドなどの分析方法を適用することで、再帰アルゴリズムのパフォーマンスを正確に評価するのに役立ちます。
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